最終日だっつー事で大入りで、30分毎の整理券が配布されてまして、当方はおよそ2時間待ち。コミケの大手サークル張りの列が、30分刻みで形成されるわけで、美術館の展示としてはやっぱ異例ですよね。"葛飾北斎"つー画家(の範疇じゃないんだけど)の作品を、300点と異例に集めてきただけの事はあります。
こちらとして予定外だったのは図録が売り切れていたこと。再販が掛かるとのことで安心しましたが、持ち帰る必要がないつー事で、奮発して2部買いました。サンプル見た限りでは、価格の割には印刷も良好でしたので、是は多分安い買い物(配送料込みで\3k/部)に思えます。普段買ってるムック類と大差ない価格で満足度は何倍になるんだろう。
展示の方ですが、かぶりつきで見て回るときりがないし、そもそも混んでいたので過半は遠目に見るだけでしたが、それでも戦慄し捲りで、こりゃあ別格だわと思うことしきり。眼福とゆーより正直疲れ果てました。何せ一時間続けて見てられず、途中で休憩挟んで漸く通して見ることが出来たくらいで。体力じゃなくて神経の方が耐えられませんでした。それこそ奇声を上げたくなるような戦慄が走ったのも、20とか30辺りまでは憶えてましたが、最終コーナー回ってからは顔が引きつったまま戻りませんでしたし。それくらい。
個別には、北斎漫画や冊子の類を見てると、それがまんま大城のぼる(戦前の漫画家)辺りに直結しているのがありありと、もう見ていて判ります。(実際参考にしていたんだし) 大城のぼるは、おそらく戦前の漫画家として手塚治虫に対して最も大きく影響した人ですから、現代が僕等が普段見ている絵にそのまんま直結している絵描きさんなのです。石森版"漫画の描き方"に出てくるような構図例も出てまして。要するに北斎は芸術屋さんじゃないんですね。
凄まじいのは、ここら辺が"木版画"とゆー印刷物として残されていて、僕等が見ているのはそれだってこと。大阪の赤本時代の手塚治虫初期の印刷が酷ったことを思うと、確かに明治で一度出版業界は壊滅してるんだなと溜息を1つばかり。
そんなことはさておき、北斎が加齢と共に進化していた絵描きだってのは、時代毎に並べられると一目瞭然なんですね。50以前の北斎は、既にべらぼーに巧いんですが、60代70代の巧さと言ったらもー詐欺です。あの時代の70つーたら、現代の100歳より余程に年寄りな筈なのですが、80過ぎて描いてるのでさえ冗談のように巧いんですね。
僕も若い頃は、早死にするから天才なんだと思っていましたけど、天寿を全うしてその全期に於いて天才である者だけが本物なのだと、心底痛感しました。(レオナルド・ダ・ヴィンチ、アリストテレス等) 富岳36景が此処に含まれるってのを別にしても、見る客の側も、ここら辺になるとやたらと詰まってまして、やっぱ誰が見てもそうなんだなぁと素直に納得しました。
PS
僕としては浮世絵を含めて、木版画の類は小さいものとゆー頭があったんですが、見て回ってる側にはその印象が無いヒトも多かったらしく、最初の辺りで妙にとまどってる人が結構居ました。どうも"絵画"つーと油絵の具の大作つー印象がベースにあるんでしょうか。
PS2
最近何処の美術館でもミュージアムショップが設置されてますが、所蔵品の差もあって此処の商品は群を抜いてます。特に
屏風類のスケールレプリカは、普通にインテリアとして使えるレベルの奴が4k\〜10k\程度で並んでいて(安いの載ってないんだけど)、安っぽいつー事がありません。棚の奥に洛中洛外図のレプリカ置いて、東方とか痕とかのフィギュア飾ったら映えるだろうなぁとか。東方だったら鳥獣戯画(巻物)のレプリカでも合いそうですよね。ウドンゲとかウドンゲとか。
PS3
で。帰りにタマ姉…、じゃなかった、
アソビットのぞいどED発売に伴うイベントに寄ってきました。神経使ったせいか、座っててもーどーでも良い感じで、朦朧として話トーク聴いてる時に、改夕張型があったとしたらどんな代物になっていただろーとゆー妄想してましたけど。しかし、伊藤静さん、きみきみ相手にしてても、このみの中の人を相手にしていても、ポジション一緒なんですね。(相手がどれも馬鹿過ぎるとゆー話もあるけど) 空気の読め無さ加減といい、素の辺りが好みでした。
PS4
日曜日のNHK教育夜のコースは癒される……んだけど、芸能花舞台が始まるの遅いんだ。今日は。